本日は中学校時代に勝ち進むことの出来なかった
チーム出身の選手が高校で活躍した話を紹介する。
いくつかのケースがあるが、まずは素晴らしい実力を
持ちながら勝利に恵まれなかった選手たちがいる。
例えば、鳥羽高校の吹田選手と松吉選手は同じ中学出身であるが
中3の夏の大会はベスト16であった。
その2人が高校2年生のウインターカップ予選ではスタメンで活躍していた。
もちろんそれは努力の結果なのであるが、
彼らのように高校の指導者から声がかかる選手でも
結果に届かないケースは多々ある。
次に高身長の選手が高校で活躍するケースもある。
中学校では180cmを越える選手がいても
勝ちあがることが厳しい場合もある。
それが高校では自身の成長、周りとの合わせなど
その身長をより活かしたプレイで活躍することが可能である。
また中3の夏から先輩の多くが引退する高校2年の夏まで約2年あるので
その間に、身長が伸びたことでプレイタイムを得られる選手もいる。
バスケットは高身長の選手が有利なスポーツである。
中学校の時、1、2回戦で負けたいたチームの選手でも
高校ベスト8や4のチームで活躍することもある。
高校での活躍に中学の結果は全く関係ないのである。
そして最後は全くの無名選手から成長し
強豪校で活躍できたケースである。
先日のウインターカップ京都府予選でシックスマンとして素晴らしい活躍をした選手がいる。
京都両洋高校#9竹原選手である。
中3の夏の大会は吹田選手たちと同じベスト16であるが、
高校から声がかかることはなかった。
今回、竹原選手にスポットを当てるのは
小中学生や、今現在高校でプレイタイムを得られていない選手が
活躍できるヒントが必ずあると感じたからである。
( クイックネスを活かしたプレイが魅力の#9竹原選手 )
竹原選手に限らず、高校で活躍する選手に必ず必要なものは
『 強い気持ち 』と『 弛まぬ努力 』だと考える。
高校は中学に比べて、練習はよりきつく、競争が激しい。
出場時間を得られていない選手は
出口の見えない真っ暗闇のトンネルの中で
精一杯努力し続けなくてはいけない。
「 自分の努力は認められる時が来るのか。 」
努力した分を試合で発揮できるスタメンとは違い、
試合に出ていない選手の方が
ハードな練習に対してのモチベーション維持が困難である。
そして、それを乗り越えた選手のみがコートで華を咲かせることができる。
今大会、京都両洋と対戦したチームのコーチも
「 相当の努力家だと思います。 」と
竹原選手の高校1年生の時からの成長を高く評価していた。
( 選手自身に考えさせ、成長の手助けをする京都両洋 吉田コーチ )
次に竹原選手のプレイを観て感じることは
『 俯瞰で見えている 』という点である。
自分はどのようなプレイヤーなのか
自分はどうすればプレイタイムを得られるのか
その理解度が高いと感じる。
今回準優勝チームでシックスマンのプレイタイムを得た竹原選手であるが、
ベスト4や8のチームでもチームの中心選手として活躍するのは厳しいだろう。
もしかするとスタメンに入れないチームもあるかもしれない。
しかし、京都両洋よりも強いチームでもシックスマンとしては活躍する姿がイメージできる。
実はこれこそがバスケットの面白さであり落とし穴である。
『 誰もが楽しめるスポーツ 』として誕生したバスケットボールには
10人いれば、10人の選手に活躍するチャンスがある。
但しそのチャンスはそれぞれ形が違う。
エースを目指すのならコートを支配するような絶対的な力が求められるが、
5人目の選手を目指すのならエースを活かすプレイ、エースに活かしてもらうプレイが出来れば、
出場のチャンスはある。
今現在、高校でプレイタイムを得られていない選手はそこに気付けていないのではないか。
中学時代に活躍した時と同じプレイスタイルで勝負していないか。
京都両洋の場合、主力選手として活躍するためには
前回の記事の高取選手や木谷選手より上のレベルのプレイを
身につけなくてはいけない。
もし、チームの主力選手を目指し、プレイしていたなら
竹原選手は今のプレイタイムを得られていなかっただろう。
自身のスピードを活かした速いゲームの流れ、スペーシング、パッシングゲーム、
キャッチアンドシュート、ディフェンス、リバウンドetc.
5人目の選手として必要とされるものを磨き上げてきたからこそ、
決勝リーグの舞台でも活躍することができたと考える。
( #8山本選手:1回戦負け #10田中選手:ベスト16
竹原選手と同様、中学生の時に勝ち進むことは出来なかった。
そんな選手たちがウインターカップのコートに立とうとしている。 )
栄光の舞台にたどり着くまでには辛くて長い日々がある。
涙を流した日もある。諦めかけた日もある。
努力が結果につながらなった選手もいる。
チームは勝利しても、チーム内で悔しい思いをしている選手もいる。
試合は様々な想いに包まれているが、実はコート上で輝いている選手たちも
同じような困難な道を歩んできている。
リンク先:京都府バスケットボール協会高体連専門部