大阪桐蔭高等学校女子バスケットボール部といえば
2017年のダブルオーバータイムでのウインターカップ優勝や
2020年のウインターカップ大阪府予選のゴールアベレージでの出場権獲得など
最後まで諦めない姿勢に感銘を受けるチームである。
6月の近畿大会では
ベスト4まで勝ち進んだ。
準決勝の京都精華学園戦。
インサイドの身長差は18cm。
序盤からゾーンディフェンスで高さに対抗し、
激しいディフェンスを繰り広げるが
徐々に点差が開きだす。
それでも、ボールに対する執着心や、
身長差をカバーする動きなど
素晴らしいプレイを終始やり続けた。
そして何より素晴らしいと感じたのは
点差や残り時間に関係なく、
一つ一つのプレイに全力で集中して挑んでいる点である。
普通は40分間のゲームの中で、
気持ちの弱さや甘さがプレイに出てくる時がある。
〝 楽して追いつきたい 〟
〝 早く点差を広げたい 〟
肉体的な疲労だけでなく精神的な疲労も
プレイの判断を鈍らせることが多い。
大阪桐蔭の選手の1試合を通して継続される集中力については
〝 今後 〟の為に力を発揮できるのだと試合中は感じた。
ところが、試合後に話を聞いて
ハッとする答えが返ってきた。
「 楽しんでバスケットをしています。 」(#4向山選手)
当然といえば、当然であるが、
バスケットは楽しいものである。
点差が開いた試合でも、
自分の調子が悪かった試合でも、
出番が回ってこなかった試合でも、
本来は全てが最高に楽しいバスケットボールの一部のはずである。
ところが、バスケットが好きだから一生懸命頑張り
勝ちたいという想いが強くなればなるほど
勝敗やプレイの結果に楽しさが左右されがちである。
もちろん今後や目標の為に
頑張れるということもあるだろうが、
何よりも〝 今の一瞬 〟を楽しむことの
積み重ねが結果に繋がるのだと感じた。
大阪桐蔭の選手のバスケットを楽しむ姿勢に
大切なことを再確認できた。
“ 躍動感のあるバスケット ”
でインターハイを最高に楽しんで頂きたい。
リンク先:近畿大会記録(京都府バスケットボール協会)
インターハイ組み合わせ表(全国高等学校体育連盟)
【 取材後記 】
学生時代〝 楽しいバスケットがしたい 〟と言って
部を去った選手がいたが、
全国上位を狙うチームでもバスケットを楽しんでいる。
むしろ、楽しんでいるからこそ、
厳しい練習を乗り越えられるのかもしれない。
普段の練習でも
しんどいメニューと捉えるか
勝利を引き寄せる楽しいメニューと捉えるかで
気持ちの入り方が変わってくるのではないか。
〝 バスケットを楽しむ 〟
初めてボールをついた時の感覚を思い出した。