指導者の先生のお話を聞かせて頂くParkインタビュー。
第1回の今回は洛南高等学校を長年指導してこられた
𠮷田裕司コーチにお話を伺った。
( 日本代表の比江島選手をはじめ、多くの教え子がBリーグで活躍している )
BasketPark (以下、BP):基礎的なプレイを大切にされている印象があります。
基礎的なことは非常に多いです。
基本的なプレイでターンオーバーをしないことが勝つための一つの条件です。
将来もバスケットをするなら、ボールの持ち方であったり、パスした後の動きなど、
ファンダメンタルが非常に大切だと考えております。
基本的な部分が出来てからチームプレイを作っていくというのが考え方です。
どこかを省略して、何かに特化していくという形を取ると、選手はいつか行き詰まると思います。
ファンダメンタルで土台を作ってあげた上で、自分の特徴づくりをしていくことを望んでいます。
BP:ウインターカップ3連覇の時のお話を聞かせて頂けますか。
あの時は素晴らしい選手たちが集まってくれました。
バスケットはチームで勝つんだということを実感しました。
全国1位というものは練習だけでもなし得ないし、良い選手が来たから出来るわけでもない。
それらの融合の結晶だと思います。
2連覇、3連覇は(優勝を)経験をしたことが非常に大きい財産として繋がってくれました。
BP:(3連覇、1年目の年の)新人戦では苦戦した記憶がありますが、子供たちの変化を感じましたでしょうか。
エースの湊谷選手は本当に良い選手だったのですが、
彼をサポートできる後輩が入ってきてくれたことにより、活きるチャンスがより生まれてきました。
そして、子供たちはやはり自信だと。
どこかで自信を持てば、これなら勝てるというのがだんだんわかってくる。
BP:大阪IHの準優勝が大きな自信に繋がったのですね。
ベスト8かできれば4に常時入れるチームでないとチャンスがある時でも1位は獲れないといつも思います。
ここまで頑張っていればチャンスがくる、
これを防いだらこちらに有利になるといういうのを
勝てる時は選手がわかっている。
それをサポートするのがコーチだと思います。
こっちがいくら作ってもコートで判断をするのは選手であり、
判断をする材料をたくさん教えるのが練習だと。
その時に、何を使うか、どういう判断をしてプレイを選択するかは
彼らの能力であったり、彼らの仕事であり、それが彼らのバスケットの楽しみ。
それが成功したときに達成感やより良い喜び、意欲が生まれてくる。
BP:吉田先生は試合中ベンチからは大声を出さずに、ポイントを指示されているイメージがあります。
選手が最終的に判断することに委ねている。
やれと言ってできないものはできない。
できないのなら、最善の方法としてそのプレイを選択したのならそれは納得できる。
それが足りない時に負ける。
それをできるようにしておけば勝てるということがわかれば
負けた時に、次につながる負けとなる。
BP:作本先生からチームを引き継いだ時の苦労はありましたか?
作本先生から早期に指導を任せて頂けたことに感謝しています。
思い切ってやれる場を与えてもらったことで成長させて頂いた。
遠征のことやチームのマネージメント、コーチングまで1人で何役もするのは大変です。
そこの分業をして頂いたので指導に集中できる時間が多くなった。
分業の体制を取れるような条件は誰にでもあるわけではないので、
いかにサポートしてもらえる人間を見つけられるかが必要だと思います。
BP:洛南高校の強さの秘訣を教えて頂けますでしょうか。
今でこそレベルの高い選手たちが来てくれるようになったのが大きいですが、
常に良いライバルであったり、勝てない相手と切磋琢磨することにより
ある一定のレベルの中でいつも練習できることが強さを維持できる一つの条件だと。
だから、いきなり良い選手が集まっても、上級生がいないと
日々の練習の強度が非常に弱くなるので、すぐには結果に繋がらないと思います。
チームの中での競い合い、もしくは自分を上回る選手がいる中で練習ができる。
そういう環境が強さの秘訣になっている。
BP:朝練もしっかりされているのでしょうか。
朝練は30分ほど時間をとっていますが、練習メニューは組んではいません。
1年生は先輩からフォーメーションを教えてもらったりしています。
朝に強度を上げた練習をして授業中寝られても困るので。(笑)
学校のクラブである以上は学業が先で、部活動はその次です。
バスケットで進路が決まるのは一部の選手だけなので、
勉強+バスケットを頑張ってもらいたい。
(洛南高校に)きた以上は彼らの目標とする進路に行かせてあげたい。
( 現在は河合ACにチームの指揮を任せ、サポート役に徹する𠮷田コーチ )
2022年インターハイ京都府予選は5月7日から開催される。
記録については京都府バスケットボール協会高体連専門部で確認できる。