高校バスケット

インターハイ京都府予選5位決定戦_京都府立城陽高等学校vs福知山成美高等学校 『 雑草魂 』

2021インターハイ京都府予選 5位決定戦
( 5位までが近畿大会出場権を獲得 )
京都府立城陽高等学校vs福知山成美高等学校

今大会は部活動の停止や時短、対外試合の禁止など、
本当に険しい道のりを乗り越えてたどり着いた舞台であった。

また昨年度はインターハイ予選が中止となってしまったので、
今年度の新人戦中止からのモチベーションの維持が難しかった話も耳にした。
( 昨年度は新人戦開催、インターハイ予選中止)

このような状況で迎えた大会もいよいよ最終日。
近畿大会の出場が決まる試合は
気持ちと気持ちがぶつかった好ゲームとなった。

試合序盤、第1Qでリードを奪ったのは福知山成美であった。
( 14 – 20 )
インサイドプレイヤーの身長が180cmの城陽に対して、
身長で勝る福知山成美が優位に立った。


( ゴール下で存在感を見せた #36 福井 )

城陽も伝統のリバウンドの強さ、身長差をカバーする粘り強さを見せるが
少しづつ離されていく。

前半が終わった時点では
城陽 33 対 44 福知山成美 と
11点差がついていた。

ゲーム展開の一つの目安に「 10点差 」がある。
一桁点差と二桁点差では気持ちの面で大きく違いが出る。

特にインサイドプレイで差がついた場合や、
この試合のように5点差(1Q)、6点差(2Q)と
じわりじわりと離された場合は余計に重く感じる。

さらに第2Q終盤に城陽がプレッシャーディフェンスを仕掛けるも
差を詰めるまでに至らなかった点も城陽ベンチの空気を重くした。


( 「 新人戦が中止になった時はみんなで励まし合いました。」 #4 吉田 20得点と奮闘した  )

ところが、第3Qに入ると状況が一変した。

城陽が再びオールコートでプレッシャーをかけると
プレスに引っかかり、徐々に点差を詰め始めた。

点差と時間を考えると
リスクを背負って勝負に出るしかないが、
城陽の諦めない気持ちがディフェンスに乗り移ったような印象を受けた。


( オールコートプレスだけでなくハーフコートでもプレッシャーをかけた )

さらに福知山成美のアクシデントによる選手交代も追い風となり
点差は徐々に詰まっていった。

そして第3Q 2:49 #5 甲斐選手のバスケットカウント&ワンスローで城陽高校が逆転した。
( 54 – 53 )


( #5 甲斐 2本の3Pを含む13得点 )

しかし、ここで離されるような福知山成美ではない。
長年、両丹を引っ張ってきたチームの底力で
ワンゴールリードで第3Qを終えた。
( 57 – 59 )


( 福知山成美のエース#91坂井 コートでは身長以上に存在感のあるプレイをする )

ここまでくれば、後は気持ちの勝負である。
お互いに一歩も譲らない。

こう着状態が続く第4Q。

終盤に差しかかろうとした矢先、伏兵が現れた。

福知山成美 #3 松岡選手である。


( 途中出場で8得点の松岡選手は全得点を第4Qで叩き出した)

スリーポイントを入れた直後に ( 65 – 70 )
スティールからの2点。    ( 65 – 72 残り3:42 )

一気に7点差に広げたプレイは勝敗に大きく影響を及ぼした。

その後は互いに譲らぬ展開となり、最終スコア 72 – 80 で
福知山成美が近畿大会への最後の切符を手に入れた。

「 最後は3年生が結果を残してくれました。 」

との先生の言葉通り、松岡選手を含む3年生の活躍が光った。

インサイドのサイズで優位に立った福知山成美に対して
チーム一丸のディフェンスで食らいついた城陽、
そして最後はチームを救った3年生の活躍。

見応えのある素晴らしいゲームであった。

今大会は無観客で行われたが、
もし、そうでなかった場合、
会場中の注目を集めたに違いない。

両チームの選手に心から拍手をおくりたい。


( インサイド、アウトサイド、バランスよく勝負する#9 米谷 )

【 取材後記 】

「 ラッキーボーイ 」や「 ラッキーガール 」という類の言葉を
基本的には使わないようにしている。

なぜならその活躍は「 ラッキー 」ではなく、
それまで続けてきた「 努力の結晶 」であるからだ。

努力したからといって、誰もが活躍できるわけではない。

しかし、チャンスをものにすることができるのは
出番がなくても腐らずに、弛まぬ努力を続けてきた選手だけである。

『 雑草魂 』
部旗の言葉通り、城陽高校の選手の諦めない想いに心を動かされた試合だったが、
福知山成美高校にも脚光を浴びることなく努力を重ねた選手がいた。

福知山成美 #3松岡選手について話を聞くと、
「 通いの生徒の中では一番家が遠いですが、
毎朝体育館に一番にきて、トイレの掃除をやってくれています。 」

( 福知山成美:岩木 太郎 先生)
と教えて頂いた。

プレイタイムが得られない中、
努力をし続けるだけでなく
朝一番に来てトイレ掃除をする。

なかなか出来ることではない。

入学時に抱いていた想いを一体どれくらいの選手が持ち続けられるか。

2年生になり、1年生が自分より先に試合に出はじめる。
先輩が引退して自分たちの代になっても思ったような出場機会が得られない。

私自身も学生時代にプレイタイムを得られない時期を経験し、
多くのチームメイトも同じような状況であったが、
最後まで諦めず、強い意志で努力を続けられる選手は限りなくゼロに近かった。

( どうせ試合に出られない。 )
( 俺のプレイスタイルとは合わんかった。 )
( 先生は来年にかけている。 )

諦め、言い訳、責任転嫁。
いくらでも見てきた。

だからこそ、松岡選手の行動の素晴らしさを心の底から感じている。

ただ、わずか数試合観ただけの私の言葉では
どんな褒め言葉を使っても安っぽく感じてしまうので
中学時代の恩師の先生からお言葉を頂戴した。

「 私や現役の中学生が先輩の卒業後の活躍を聞くと、
元気と勇気をもらいます。
多くの人の心を動かす活躍を今後も期待しています。」

南丹市立園部中学校:平井 亮司 先生

BasketParkは陰ながらチームを支える選手も追いかけていきたい。

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